正しいギタ−選択のために
ギタ−料金の相違と是非
何故あるギタ−は高く、あるギタ−は安いのか?
日本における輸入スペインギタ−の適正価格は?
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多くのギタ−愛好家はギタ−の見栄え、メ−カ−の有名無名、予算に似合った値札、そして、半ば商売文句ではないかと疑いながら聞く店員さんのアドバイスなどを頼りに戸惑いながらギタ−を選んでいるのが実情ではないでしょうか。しかし、骨董品や有名人のサインなら価格は主観で良いかも知れませんが、巷の商業主義に翻弄されないためにもギタ−についての最低限の知識と一定の価値判断の基準を持つことは大切です。 レオ−ナは単にスペインギタ−の販売だけではなく、振興会としてギタ−の一般的基礎知識を世に知らしめるのも使命だと考えます。ギタ−は最後は耳で利くべきですが、そのためにも以下の各項目を熟読され、ギタ−とその作り、それに応じた料金、そして、肝心の音色がその料金に応じたものかどうかを吟味する目と耳もまた養って下さい。 ギタ−の上手い人はまたギタ−についての知識もあるものです。一見ギタ−演奏とは無関係に思える、この普段は使わない引き出しを備えることもまた、演奏の引き出しの奥行きと幅を間接的に、しかし、確実に広げることになるでしょう。 ギタ−一般、そして、特にスペインギタ−の観点から見て行きます。
@ 単板か合板か まず、世界中の『ギタ−は合板ギタ−と単板ギタ−に大別出来る』ことを念頭に置いて下さい。 例えば自然のロ−ズ材(インディアンロ−ズウッド:通称ロ−ズ)をそのまま使用したのがロ−ズ単板ギタ−。これに対して安い中間材の両面に機械で薄くスライスしたロ−ズをシ−ルの如く張り付けたのがロ−ズ合板で、外見は完璧なロ−ズですが、実際ロ−ズは10%程度の見せかけだけのロ−ズ合板ギタ−。極端な安物に至っては表面板まで合板です。両者は音量音質、そして、当然料金も違いますが、外見は何の差もありません。この合板ギタ−か単板ギタ−かの区別が出来れば表示金額が妥当かどうか目星も付いて来ます。 最も簡単な見分け方はギタ−内部のラベルの下の裏板中央部に縦に添え木があれば単板ギタ−。添え木がなく、ラベルがベタ〜と貼ってあれば無条件に合板ギタ−です。サウンドホ−ル越しにラベルを覗いて見て下さい。これは単板ギタ−の場合、単板二枚を接着した裏板中央の接合部分をギタ−内側から補強するためにこの添え木があり、ラベルがこの添え木の上から貼ってあれば単板ギタ−だと言って宜しい訳です。それに引き換え合板ギタ−は頭から一枚合板の裏板ですので、頭から存在しない接合部分の補強の必要も添え木もないのです。ただし、一枚合板裏板も通常外側はあたかも二枚の板の如く装飾してありますし、内側中央にわざわざ必要ない添え木を接着して単板ギタ−に見せかける合板ギタ−も今日出て来ていますので要注意。いずれにせよ、最終的な見分け方は単板であれば表と裏の木目が同じで、合板は良く見ると違います。 合板ギタ−でも今日音量は追求出来ると言えますが、合板故にどうしても音質で単板ギタ−に劣ります。やる気のある方は頭から単板ギタ−と決める方が賢明です。レオ−ナでは114000円から単板ギタ−をご紹介しています。ただし、音質の違いも分からないし、取り敢えず試しに一本と言う方は合板ギタ−でも宜しいでしょう。 ************** 料金比較は当然『単板ギタ−>合板ギタ−』です。日本製ならおよそ20万円以上が単板ギタ−。セ−ルでも15万円位でしょう(注:もちろん、これは量産単板ギタ−の料金的目安:A↓参照)。それ以下の料金のギタ−は部分的にせよ合板が使用されています。楽器屋さんは売るためにわざわざこんなことは言わないでしょうが、『この客は少しはギタ−を知っているから侮れないな』と思わせるために、逆に『これは合板ですか、単板ですか』と質問してみるのも侮られないための一つの知的な駆け引きです。そして、この様な基本的な質問にさえ返答に困る様なら、そう言う店のギタ−に対する姿勢は頭から疑った方が賢明だと言うことです。 日本で輸入スペインギタ−にしては安いかなと言う料金が付いていれば、それは紛れもなく量産工場の合板ギタ−です(注:原産国非表示の中国製スペインギタ−の可能性あり↓C)。問題は例え合板ギタ−でも有名ブランドであれば日本では結構な値段が付いていますし、ましてや量産単板ギタ−でも有名ブランドのなら今日平然と手工ギタ−以上の料金(何十万〜百万円以上)が付いていても不思議ではないことです。ここで次に述べる量産ギタ−と手工ギタ−の違いについて僅かばかりの知識さえあれば、この料金的不条理の大まかな判断は出来ます。
A 量産ギタ−か手工ギタ−か 次に世界中の『ギタ−は量産ギタ−と手工ギタ−に大別出来る』ことも念頭に置きましょう。 量産と言うとオ−トメ−ション化されて機械に材木を入れたらギタ−が出て来る様な響きですが、本来一人の製作家がのこぎりで切る部品を機械で大量に準備すると言う意味の量産で、決して一日でギタ−が出来る訳ではありません。昔ながらの職人気質でていねいに作ると生産個数に限度があり、原価も高く、大量仕入れと大量生産で徹底的にコストを削減する量産工場ならより安く大量に生産出来るのはどの製造業もギタ−も同じです。しかも、今日名工さん達も機械の使える個所はなるべく機械に頼っているのが現状です。こうして各部分の木材の準備を終えて組立て作業に入りますが、そこから先はいずれの場合も手で組立てて行きます。ただ、それを一人の製作家が丹精に仕上げるか、20〜30人の名もない量産工場の職人達が分担作業でやるかの違いです。それなら、結局量産ギタ−も手工ギタ−もブランドかそうでないかの違いだけで、実質的に大差はないことになってしまいそうですが、果たしてそうなのでしょうか? この様に、手作りでないギタ−などこの世に一本も存在しない以上、広い意味で総てのギタ−は手工ギタ−であると言えます。ですから、例えばスペインのギタ−工房では客が初心者だと見れば例え5万円の量産ギタ−でも『これは手工ギタ−だ』と言われます。これは一面正しい答えですが、今日のスペインで最低の最低でも25万円(1500ユ−ロ)以下のギタ−が一人の製作家がこつこつ作った手工ギタ−であるはずがないのです。ギタ−知識に乏しい消費者に工場から安く仕入れた量産ギタ−に自らのラベルを貼って手工ギタ−と称して売るための方便です。日本でも今日日本製手工ギタ−より遥かに高額なブランド化されたスペイン製量産ギタ−が多く見受けられます。ブランド名に幻惑されないためにも量産&手工ギタ−を見分ける基本的な知識をいくつかの項目に分けて見て行きましょう。なお、以上の意味で・・・、 当サイトではギタ−工場製のギタ−は量産ギタ−(普及モデル)、ギタ−工房で製作家によって作られるギタ−のみを手工ギタ−と呼ぶことにします。 ************** 寿司とギタ− 寿司屋の寿司がス−パ−の寿司パックの5倍すると文句を言う人はいないでしょう。何年も修行を積んだ板前さんが朝早く自ら魚市場に赴いて見定めたネタで握った寿司に対して、片や安さが売りの言わば量産寿司。しかも、作者はパ−トのおばさん。見た目と量は同じでも、そこに至る過程、労力、経験、ネタ、味、値段、格の違いは歴然です。量産工場の手工ギタ−である量産ギタ−と個人製作家作正真正銘手工ギタ−の歴然とした違いも同じです。 ところが、今日スペイン国内でさえいくつかのスペイン製量産ギタ−はブランド化されて手工ギタ−並、場合によってはそれ以上の料金が付いているのが現状です。もちろん、個人製作家作正真正銘の手工ギタ−はこの類ではありませんが、資本主義社会で成功したければ大量仕入れと大量生産で徹底的にコストを削減してブランド化して高く売るのは当然の戦略だと、もしかするとそう思っている読者もいるかも知れませんが、賛成反対はともかく、これが日本においてもいくつかの輸入スペイン量産ギタ−の厳然たる現実になって来ています。早い話が、単にビジネスとして捕らえれば、手間隙コストのかかる生産台数の少ない手工ギタ−を苦労して売るより、原価は10円そこそこでもしっかり宣伝してブランド化して200円で大量に売って儲けることだけが目的の炭酸飲料の如きブランド化された輸入スペイン製量産ギタ−の方が遥かに金銭的効率が良いからです。ギタ−を単にビジネスとして捕らえるからこんなことになります。また、消費者側にもこの手工ギタ−と量産ギタ−を区別する目がないため、ブランド化された量産ギタ−を手工ギタ−並みの料金で買わされているのが現状だとも言えるのです。また、その目を養っていただきたいがための当サイトでもあります。 原材料費などの違い 建材のヒノキでも節の有無によって料金が全然違う様に、極上の木材は当然製作家の工房で手工ギタ−に、並みは量産工場に買い取られて量産ギタ−になります。原価が違って来るのも当然です。 木材乾燥過程の違い 製作家の工房ではそれを更に最低10年寝かせてから初めてギタ−製作に使います。木には人間の毛穴と同じく気孔なるものがあり、年数の経過と共に気孔内の樹液が乾燥して音の通り、音質が良くなります。つまり、寝かせば寝かすほど味とコクを増すワインの様なもので、こうなると経過年数にお金を払うと言ってもいいでしょう。量産工場では機械で乾燥させます。この使用木材の自然乾燥と機械乾燥の差が手工ギタ−と量産ギタ−の音質に決定的な違いを与えることは多くの専門家の一致するところです。楽器としての作りや音量ではなく音質です。今日確かに量産ギタ−でも手工ギタ−と見分けが付かないほど音量もあり、木工として優れたものもありますが、養殖魚ではいくら頑張っても自然に獲れた魚ほど美味い刺身にはならない様に、木材も人工的に乾燥させる段階で自然本来の良さが失われ、それが音質、つまり、音の味とコクに反映します。自然が一番、手工ギタ−が一番なのです。 生産台数の決定的な違い ギタ−工場の量産ギタ−とギタ−工房の手工ギタ−の生産量は正に名工作の陶器と中国製安物コップ位の差があります。製作家がこつこつ作る手工ギタ−はせいぜい年間14、5本。同じ工房で働く息子や弟子の協力があってもせいぜい20本ほど。これが手工ギタ−の生産限度です。それでは、世界中に相当数出回っている有名製作家ラベルのギタ−は一体誰が作っているのでしょう? もちろん、本人の作品ではありません。量産工場に委託して作らせた量産ギタ−(もしくは比較的高価なギタ−は次に述べる影武者ギタ−)です。大枚叩く価値はありません。ただし、然るべき製作本数の有名製作家であれば、それは手工ギタ−として信用に値することは言うまでもありません。 ギタ−とハンドバック スペインにロエベと言うハンドバックのブランドがあります。日本でもかなりの高級品として売られていますが、スペイン・アンダルシア地方カディス県の山奥の皮工芸で有名なある村の工場に(総てではありませんが)作らせています。そして、工場から出荷する際、全く同じハンドバックが、ロエベの印が圧してあるだけで何倍もします。資本主義社会の仕組みは皆こんなものだと言われればギタ−業界も仕方がないのかも知れませんが、ラベルは有名製作家の名前でも、本人作の僅少の手工ギタ−とあたかも本人作の手工ギタ−に見える、ラベルだけ本物の量産ギタ−があること位は消費者側も少なくとも知っておくべきす。仮に仰々しく本人のサインが入っていてもです。そして、読者が興味をそそられているあのギタ−、欲しいと思っているそのギタ−は一体どちらなのか? それなら、その料金は妥当なのか、お買い得なのか、法外なのか? ある程度の見る目を持っていなければラベルにお金を払うことにもなりかねません。 中国製スペインギタ−も!? 食は中国、ギタ−はスペイン!? ところが、今日何と中国製ギタ−をそのまま輸入して、そのまま自らのラベルを貼ってスペインギタ−として販売する・・・。 以下Cをご覧下さい。 影武者手工ギタ−!? 各部分を弟子に用意させ、それを先生本人が組み立てるならまだ話は分かりますし、多くの歴史的名工達もおそらくそうして来たことでしょう。また、そんなことを一々購入者に言う製作家もいないでしょうが、仮にそう言われてもこの程度なら納得出来ます。しかし、問題は本人作の僅少の手工ギタ−(上述)どころか、100%他人の作品で本物はラベルとサインだけの有名製作家ラベルのスペイン製手工ギタ−もあると言う現実です。 確かに、工場製の量産ギタ−を仕入れて、自らのラベルを貼って大衆ギタ−として販売することは昔から有名製作家の工房でもされて来たことです。例えば筆者は相当古いホセ・ラミレスラベルのくるみギタ−を持っていますが、その雑な造りやヘッドの形からして当時の量産ギタ−であることは間違いありません。この様に比較的安価なギタ−なら話は分かりますが、相当高いギタ−まで全く他人任せとなると、これはどうでしょう? 論より証拠。私の知り合いの若い無名のスペイン人製作家マリオ・フェルナンデスが以前マドリ−ドの、日本でも有名な○○・○○○○ギタ−工房に履歴書を送ったところ、忘れた頃に面接に呼ばれたそうです。仕事はもちろんギタ−製作ですが、自分のラベルは一切貼れず、○○・○○○○の名前でギタ−を作ること。幸いにも本人は断ったそうですが、要するに○○・○○○○工房に就職するからにはマリオ・フェルナンデス君の作ったギタ−には総て○○・○○○○のラベルを貼ってもらいますと言うことなのです。量産工場に就職して流れ作業的に安いギタ−を作るのではなく、○○・○○○○の作品として売る高級手工ギタ−を製作すると言う意味なのです(しかも大半はピストル吹き付け塗装)。マリオ・フェルナンデスが腕のいい職人で、良いギタ−を作るのなら別にいいじゃないですかと気にしない消費者もどうかしています。購入者は○○・○○○○のラベルとサインを見て○○・○○○○作の手工品と思い込んで大枚叩くのではありませんか? この様に、大衆ギタ−ならともかく、今日相当高いスペインギタ−までこう言う仕組みになっていることも多々あります。そんなことは日本の輸入業者は百も承知です。売れてビジネスになればそれでいいと思っているのでしょう。もちろん、今日日本に輸入されている有名製作家の多くのスペインギタ−はその名誉のためにも本人作だと断言しますが、有名製作家のラベルとサインだけ本物のギタ−も少なくはないのが現状です。その上、これらは日本ではブランドが故に高級手工ギタ−として販売され、仰々しく何々モデルと称されているものに多い傾向です。しかも、安いと却って信用しない、ブランドに弱い日本人の悪い癖を逆手に取って定価は50〜100万円以上!? 日本の売値から見ればまさかと思う様な原価で仕入れ、そこに本物のラベルを貼ってあっと言う間にブランドギタ−になります。 これは量産ギタ−でも前述のブランド化された量産ギタ−でもなく確かに手工ギタ−ですが、ラベルとサインの名前と製作家が違う以上、影武者手工ギタ−と呼ぶのが言い当て妙でしょう。ラベルは有名な〜〜工房でも、せめて〜〜作とその無名製作者の名前とサインを入れるのが良識のはずです。 製作家の知名度 名工作手工ギタ−なら当然高額で、仮に見劣りしないギタ−を作っても無名製作家なら原価も安くなるのは当然です。 ************** 料金比較は当然『手工ギタ−>量産ギタ−』です。以上を踏まえて更に詳しく言えば、知名度手間隙経験技術などを考慮して『名工作手工ギタ−>有名ではない製作家の手工ギタ−>影武者作有名ブランド手工ギタ−>手工ギタ−と称されるブランド化された量産ギタ−>量産ギタ−』と原価の順にこうなるべきですが、商業主義のおかげで価格は『名工作手工ギタ−>影武者作有名ブランド手工ギタ−>手工ギタ−と称されるブランド化された量産ギタ−>有名ではない製作家の手工ギタ−>量産ギタ−』と真に不条理な逆転現象も起こり得ます。そして、正にこれがスペインギタ−の価格の現状であり、これがそのまま日本市場にも世界市場にも反映されています。 ************** 正に『誰が何をいくらで売ろうが各自の自由。買いたい奴が買えばいいし、気に入らなきゃ買わなきゃいいだけの話だろ』と言わんばかりです。確かに女性の虚栄心を満たすハンドバックならブランドの刻印に盲判を捺くのも自由かも知れませんが、老舗の寿司屋がス−パ−のパ−トのおばさんの作った寿司パックを仕入れて、あたかもその店の職人が握ったが如く高い料金を付けて店頭に並べているとすれば、それは少なくとも私にとっては問題です。そして、それがスペインギタ−ならもっと遥かに問題です。 日本人ギタ−愛好家にこの不条理に対する識別力を養っていただくのも当サイトの目的です。 ギタ−の価値観がその奏でる音色ではなく、金に換えて何ぼの単なるギタ−産業になってしまっているが故に、これは究極のところギタ−、そして、スペインギタ−を取り巻く人々の商魂豊かな歌心の欠如が根本問題です。ギタ−がブランドのハンドバックと同じ次元に陥る・・・。何と悲しい失望の旋律でしょう。 いずれにせよ、スペインギタ−に限らず、いかなる国のどんな量産ギタ−でも手工ギタ−以上の価格で販売することはス−パ−の寿司パックに寿司職人の握った寿司より高い値札を付けるが如く、あってはならないことであり、不条理です。 以上の基礎知識を踏まえた上で日本におけるスペイン製量産ギタ−と手工ギタ−の具体的な判別方法をいくつか見てみましょう。 ************** ラベルによる判別 明らかに量産ギタ−工場と分かるラベルが貼ってあれば、それはそう言う名前のギタ−工場や製作所の量産ギタ−だと一目瞭然ですし良心的ですが、問題は有名製作家ラベルのギタ−の場合です。疑っては失礼な正真正銘本人作の手工ギタ−もたくさんありますが、有名製作家ラベルでも実際は量産工場に丸投げギタ−もまた今日数多く存在しています。中にはサイン入りまでありますが、本物はサインだけかも知れません。その場合は店員さんに『このラベルの名前の本人の作品ですか』と尋ねてみましょう。良心的なギタ−店なら良心的な答えをしてくれるはずです。もっとも、中にはラベルの名前の製作家はもう亡くなっているところもあるそうですが・・・。 小売価格による判別 円安ユ−ロ高時代を反映して、今日スペイン人個人製作家作手工ギタ−の日本での定価は最低100万円と見受けます。つまり、逆に考えれば、今日日本で定価100万円以下の輸入スペインギタ−であれば、どんなに何とかモデルと宣伝文句が謳われていようがブランド化された量産ギタ−(かせいぜい影武者手工ギタ−:上述)と思って宜しいでしょう。量産ギタ−も確かに合板の安物から単板の高いモデルまでありますが、量産ギタ−は量産ギタ−です。 とは言え、定価100万円以上でも総てが手工ギタ−ではないことは既に述べました。要約すれば、スペイン人個人製作家作手工ギタ−は安くは成り得ないが、有名メ−カ−のスペイン製量産ギタ−は無名個人製作家の手工ギタ−以上に高く成り得ると言うことです。特に日本人は何とかモデルと称して高ければ何でも飛びつくブランド志向と物が良くとも安ければ却って信用しない悪い癖があります。名より実を取ることを心掛けて下さい。 塗装による判別 下のBも同時参照:スペインでは一昔前まで手工ギタ−はセラック手塗り、量産ギタ−はポリウレタン吹き付けピストル塗装と相場は決まっていたものでしたが、業界が商業主義とブランド志向に走り始めてからは平然とピストル塗装(ポリウレタン&稀に高級品はラカ)された手工ギタ−さえ現われて来ました。従って、塗装がセラックならそれは無条件に手工ギタ−と断定出来ます(稀に量産工場の最高級品も)。また、総ての量産ギタ−はピストル塗装(ポリウレタン&稀に高級品はラカ)ですが、今日商業主義の故に安価なピストル塗装のスペイン製手工ギタ−(&と称される量産ギタ−)もまた多く存在すると言うことです。100万円以上の高級手工ギタ−がスペインで5万円の量産の合板ギタ−と同じピストル塗装とは品質向上に努める企業の姿勢ではなく、単に手間隙人件費を省いて出来るだけ高くブランド商品として売りたいがためのケチな戦略に過ぎません。これには心ある職人気質のスペイン人製作家達も呆気に取られています。 手打ちラ−メン屋がインスタントラ−メンの粉末ス−プを使うでしょうか? 『うちは名の知れた老舗の手打ちラ−メン屋。放っといてもやって来るたくさんの客を捌くには前の晩からグツグツ出汁を煮込んでる暇なんかない。どうせ分かりゃしないんだから粉末ス−プにしときゃいい』と読者が店主ならそうするでしょうか? ス−プはともかく、ギタ−消費者側が余りにも塗装に限らずギタ−についての知識がない故に『どうせ分かりゃしないんだから』と甘く見られているのです。 以下Bの塗装についての説明は決してオマケではありません。克目してお読み下さい。 質問による判別 とは言え、私がいかに文章で説明したところで、それはある意味自動車教習所の教室内の講義の様なもので、実際にハンドルを握って道路に出なければ経験として分かるものではないでしょう。 そこで、以上の知識を踏まえた上で、一番手っ取り早い手工ギタ−&量産ギタ−の判別方法は店員さんに『これは手工ギタ−ですか、量産ギタ−ですか』とズバリ訊くことです。良心的なギタ−店なら良心的に答えてくれるでしょう。そして、その価格と予算と音色のバランスが取れていると判断した時点で初めて購入を考えても遅くはありません。もちろん、手工ギタ−とは年産14〜15本のスペイン人個人製作家作正真正銘手工ギタ−を意味し、量産ギタ−とはどんなに有名製作家やメーカ−のラベルが貼ってあろうが量産工場作のギタ−は総て量産ギタ−であるとの定義に則った上で訊くことは言うまでもありません。ですから『このラベルの製作家は年産何本ですか』と訊いても十分な単刀直入な駆け引きになっています。良心的なギタ−店なら良心的に答えてくれるでしょう。
B 塗装の違い:セラックかピストルか 次に、世界中の『ギタ−の塗装はセラックニス手塗りとピストル吹き付け塗装に大別出来る』ことを念頭に置きましょう。 私が1979年にスペイン・グラナダで購入した最初のスペインギタ−(クラシック)の途装がセラックニス手塗りだと知ったのはそれから約18年後のことでした。今その時のことを思い返してみても、音と弾き易さを確かめただけで、まさか途装の質までは考えてもみませんでしたし、スペインギタ−を扱い始めてやっとその存在と意味を知った訳です。ですから、ほとんどの愛好家はギタ−選択の際途装など気にも掛けず、せいぜい光沢があってきれいだとか、その程度の浅薄な認識だと言うことは身をもって理解出来ます。 しかし!! 『塗装は見映えだけで音には一切関係ないと言う一般的固定概念とは全く逆に、塗装こそギタ−の音色を活かし、また殺しもする決定因子である故に、消費者側もギタ−の塗装について活眼を開かれるべきこと』も念頭に置きましょう。 本来ギタ−に限らず、音響の点から言えば楽器は塗装しないのが一番だと言えますが、それでは格好が付かないので何らかの塗装を施す訳です。人間は裸のままが一番動き易いが、見た目が悪いのでワイシャツを着るが如くです。しかし、セ−タ−ならどうでしょう? セラックニス手塗りとピストル吹き付け塗装(またはガン塗装)の差は正にステレオのスピ−カ−にワイシャツとセ−タ−を被せると比喩出来ます。 セラックニス(以下セラック)は極めて音響の良いニスですが、組み立てが終わったばかりのギタ−にいきなり塗ることは出来ません。まず木材表面をキメ細かくサンドペ−パ−掛けし、人間の肌の毛穴とも言うべき木材の気孔をメ止めしてから、やっとセラックを幾重にもタンポ塗りして行きます。総て手作業です。木材にも拠りますが、20日から一ヶ月はかかります。 確かにこんな面倒な手作業を量産工場に求めるのは無理ですし、安価なギタ−にこんな高価な塗装をする意味もありません(自社の最高級モデルはセラック塗装する量産工場もあり)。そこで、量産ギタ−はポリウレタンを吹き付けるピストル吹き付け塗装(以下ピストル)で一日仕事。メ止めも何もありません。塗装重量80g位。 また、ピストルには違いありませんが、高いモデルには塗装重量40g位のラカ(Sp:laca)塗装を施す良心的な工場もあります。ポリウレタン同様ピストル仕上げですが、ラカ塗装は一週間はかかります。自らの手工ギタ−をラカ塗装する製作家もいるほどですので、このラカ塗装は評価出来ると言えますが、手作業のセラックに時間を取られるより、ピストルでラカ塗装して早く終わって早く次のギタ−に取りかかる方が経済的に効率的だからです。或いは塗装は頭からセラック専門職人(日本にこの職種があるかは分かりませんが)に任せるスペイン人製作家も多いです。 ところで、私は以前フランシスコ・アルバ氏とセラック塗装の重さを量ってみました。つまり、グラム単位の精巧な量りでギタ−をセラックで塗る前と塗り上がった後の重さを計量してみました。何とマイナス2g !? 何かの間違いだろうとしか思われず、もう2本のギタ−で実験してみました。結果は2本共差し引きゼロ、つまり、セラックを塗っても塗る前と全く同じ重さでした。これには私はもちろん、製作家の氏も意外だった様です。セラックには木材の湿気を吸収する作用があるのでしょうか? これについては研究の余地有りで結論付けることは出来ませんが、セラック塗装は正にワイシャツ、しかも、ごく薄手のワイシャツだと言えます。音の出、伸び、遠達力など、総てにおいてピストル塗装に遥かに優ることは疑い様のない事実です。 以上を踏まえて、私の意見では50万円以上のギタ−は国産輸入ギタ−を問わずセラック塗装であるべきです。それが製作家や楽器商の良心であり、それだけの金額を支払う消費者への礼儀ではないでしょうか? また、様々なカタログやサイトでギタ−の弦長や各部分の使用木材などの説明の欄に塗装:セラックとの表示がなければ、それは量産ギタ−はもちろん、手工ギタ−さえポリウレタン(もしくはラカ)のピストル吹き付け塗装だと暗に言っているのと同じです。そして、もしそれらが50万円以上のギタ−なら、いくら有名製作家だろうがブランドの何とかモデルだろうが、最後の詰めを誤ったギタ−だと言わざるを得ません。中にはこのギタ−はピストル塗装でも良く鳴っているじゃないかと反論もあるでしょう。それならセラック塗装すればもっと鳴ります。 ************** 音量音質の比較は当然『セラック>ピストル』です。もっと詳しく言えば『セラック>ピストル(ラカ)>ピストル(ポリウレタン)』となります。ギタ−自体の出来が良ければピストルでも音量は十分にあると言えますが、この見た目は『0g〜40g〜80g』の僅かな違いは正にワイシャツとセ−タ−を着て運動する際の歴然としたの違いの如く、音量音質に圧倒的な違いを生じます。音響の観点から言えば、ギタ−の塗装は見た目の問題ではなく、音を解き放ちもし、ブレ−キをかけもするその重さの問題なのです。塗装は軽いに越したことはありません。手間隙経費がかかることは別にして、塗装はセラックが一番です。 レオ−ナからお送りする手工ギタ−は総てセラック塗装。量産ギタ−も一番安価なA4&A4Fはピストル(ポリウレタン)ですが、後は総てラカ塗装です。つまり、同じピストル塗装でも、より手間隙経費の掛かる塗装の薄いラカ塗装仕上げです。また、量産ギタ−でも単板ギタ−ならラカ塗装と同時にセラック手塗り塗装も用意しています。再度この『セラック>ピストル(ラカ)>ピストル(ポリウレタン)』の違いによる音量音質比較に克目して下さい。また、ギタ−料金一覧の最上部の『ピストル&セラック』とはこう言う意味だと言うことを再認識して下さい。ご覧の様に量産ギタ−のセラック仕上げは5〜6万円増しですが、日本では約10万円と聞いていますので、これは極めて良心的価格と自負します。また、上で目安としてセラックは50万円のギタ−からと書きましたが、レオ−ナでは何とセラック塗装ギタ−が174000円から。木材の音響性を最大限に引き出すため、ギタ−ショップではなく、スペインギタ−振興会として敢えてこの手間隙コストのかかるセラック手塗り塗装に挑戦します。 ************** 次にメンテナンスの面から見たピストルとセラックの相違点です。セラックも製作家によって得手不得手はあります。セラックは手塗り故に僅かながら濃淡やタンポ塗りの跡が伺える場合がありますが、ピストルなら塗装は一応に仕上がり見栄えは宜しいです。しかし、その分塗装の層が厚く音にブレ−キが掛かります。ましてや、オレンジ色のギタ−など論外です。ピストル塗装の中でも最も安価なオレンジ色のポリウレタン塗装は作りの荒い最も安価な量産ギタ−の塗装方法です。早い話が量産工場の雑な作り(木と木の接合部分の隙間など)やキズを隠すためのやや濃い目のオレンジ色に他なりません。しかも、手にずっしり来る重さです。安物ならともかく、日本でオレンジ色の輸入スペインギタ−に平然と何十万円〜100万円以上の値札が付いているとすれば、それはむしろ量産ブランドギタ−の絶好の証として捉えた方が賢明です。 ピストル塗装の方が層が厚い分だけ音響は悪いですがキズが付き難く、清掃も市販の家具の艶出しで拭き取れ、少々擦っても大丈夫です。逆にセラックは薄手のワイシャツ同然故に音響に優れますが、ボタンやベルトなどとの接触でもすぐに跡が残ります。また、時と共に光沢を失い、高級品なら何年か毎に再度の上塗りが必要になります。もっとも、この再塗装で新品同様になりますが、セラックは音響に優れる分だけ手間がかかると言う訳です。清掃は市販の家具の艶出しで結構ですが、アルコ−ルを含んでいないこと。セラックはアルコ−ルに溶けます。また、汗にも注意しましょう。スペインのフラメンコギタリストのギタ−は右肘の部分は汗が故にセラックが薄れていることが多々見受けられます。肘当てや長袖の着物を心掛けましょう。ピストル塗装ならこんな気遣いは不要です。 要するにピストル塗装の方が安価で頑丈で音響が悪く、セラックは極めてデリケ−トな高価な塗装で音響に優れていると結論出来ます。因みに私が今まで見て来た日本人&スペイン人プロギタリストの使用するセラック塗装のギタ−ですが、何年も弾いているためか皆光沢もなくキズだらけで、本人達も気にする様子はありませんでした。少々のキズなら再塗装すれば完全に消えるし、再塗装する金もないし(!?)、要するに『セラック再塗装など何時でも出来る。それよりこのギタ−をより良く歌わせるのが私の仕事だ』とギタ−の外見より音重視のプロは思っているのです。
とは言え、ギタ−愛好家が皆高価なセラック塗りの高級手工ギタ−を購入する訳ではありません。ただ、ギタ−の塗装は見映えだけではなく、塗装こそギタ−の音色のアクセルにもブレ−キにも成り得るものだと言うことを知っておけば、将来のギタ−選択に大いに役立つことでしょう。
さて、当初このギタ−料金の相違と是非は@ABで終わる予定でした。Aで中国製スペインギタ−について書き始めた時も、これは一部の心無いスペインギタ−工場だけの例外だと疑いませんでしたので、参考程度の小記事の予定でしたが、情報を集めるに従って、かなりのスペイン有名無名ギタ−メ−カ−が、ただ単に利潤追求のため臆面もなく二束三文の中国製ギタ−に自らのラベルを貼り自社製として販売し、更にこの傾向は拡大の一途を辿っている現実に出会しました。スペインギタ−の名誉と信頼回復のためにも、これは残念ながら一大項目Cとして取り上げざるを得ないとの結論に達した次第です。 C スペイン製スペインギタ−か 中国製スペインギタ−か 食は中国、ギタ−はスペイン!? ところが、今日何と中国製ギタ−をそのまま輸入して、自社のラベルを貼り、スペインギタ−として販売するスペインのギタ−メ−カ−が後を絶ちません。 ここ数年スペインを初め、ヨ−ロッパユ−ロ圏を旅行した方はお分かりと思います(日本から出ない方は余り実感出来ないかも知れません)が、円安ユ−ロ高にユ−ロバブルを反映してとにかく物価が高い。スペインでも2008年現在日替り定食は安くても8ユ−ロ(約1300円)が相場で、公共料金以外は日本よりスペインの方が高いのが現状です。しかも、ご存じの様に2007年後半から始まった原油高騰に始まる世界的な生活必需品の値上がりは留まる兆しさえなく、それは食料品のみならず、何故かギタ−木材その他の原材料にも如実に反映しています。経費節減だけではどう仕様もない限界まで来てしまったと言えます。当然スペインギタ−の原価も跳ね上がる一方です。 この様な社会的経済的情勢になれば、どの業界も生き残りのために値上がり分を小売価格に上乗せするか、丸ごと原価二束三文の中国製品に鞍替えするかのどちらかの選択を迫られます。その結果、昨今のスペインも日本同様巷には格安の中国製品が氾濫している訳ですが、何とギタ−付属品(ケ−ス:譜面台:足台〜)のみならず、ギタ−丸ごと中国に発注し、ラベルだけスペイン製のスペインギタ−として販売するメ−カ−が増加の一途を辿っています。いくらこの方が手間隙人件費丸ごと大幅節約出来て経済性が良いとは言え、 中国製スペインギタ−とは低次元漫才にも程があります。 これでは発想がまるで百円ショップです。しかも、様々な情報を総合すると、決して無名メ−カ−のやむを得ない生き残り策ではなく、世界的に有名な、日本を初め世界中に大量輸出しているスペインギタ−メ−カ−ほど率先して中国に発注していると言う最新の確かな情報も入って来ています。しかも、日本ではモデルによってはかなりの価格が付いており、しかも、この傾向は臆面もなく増長する一方だそうです。 日本の大手楽器メ−カ−も比較的安価なギタ−は中国製が大半だとの確かな情報もあります。これだけ産地偽装が社会問題や事件となっているご時勢に極めてギタ−ビジネスライクに割り切った現金で節操のない話ですが、日本やアメリカのギタ−がどれだけ中国製だろうがレオ−ナは感知しません。しかし、スペインギタ−となれば話は別です。レオ−ナからお送りするスペインギタ−は総てスペイン製であり、中国製は一本もないことをここに誓約致します。また、レオ−ナと当サイトではスペインで製作されたギタ−のみをスペインギタ−の定義とします。何故この様な当たり前のことを私が一々但し書きしなければならないのでしょう!? 真にいい迷惑です。 しかも、原産国表示なしです。資本主義社会ではとにかく原価を安く押さえて、売って金に換えなきゃ話にならない、そうでなきゃ会社が立ち行かないと言うのは一理ありますが、だからと言って偽造大国中国に自ら魂を売って何をやってもいいと言う訳ではないでしょう。100%中国製だと知っていながら平然とスペインギタ−と称して販売する日本の輸入業者や小売店も類は友を呼んでいます。100%中国製の麺を国産と称して販売した偽装事件が日本であったそうですが、単に麺がギタ−に変わっただけのことです。これではまるで平成19年の世相を表す漢字「偽」そのものではありませんか? 真に不誠実で情けない話です。消息筋の情報によれば、何と日本の税関に着くまではコンテナにMade in Chinaのシ−ルが貼ってはありますが、受け取ると同時にシ−ルを剥がし、後は総て闇の中だそうです(日本の知り合いの知り合いの弦楽器屋さんの生々しい証言)。なるほど、これならサウンドホ−ルを覗けば正真正銘スペインのギタ−メ−カ−のラベルなので、あくまでスペイン製だと言い張ることも十分可能でしょうが、もはやこれはギタ−の原産国や表示どうこうの問題ではなく、ギタ−を取り巻く人間達の誠実不誠実の問題です。2008年3月13日スペイン最南端アルへシラス港で中国の貨物船に満載された偽ブランド衣料品200万ユ−ロ(約3億円)分が押収されましたが、何故ギタ−に関しては社会問題にさえならないのでしょうか? ************** 中国製スペインギタ−:今後の傾向と対策 当面まだ安いモデルだけの様ですが、利潤追求絶対至上主義に毒されている以上、この中国製スペインギタ−の傾向は日本各地の中国の出店の如き量販店の如く、沈静化どころか増加する一方であることが予想されます。従って、今後低コストの味を占めた多くのスペインギタ−メ−カ−がよりグレ−ドの高いモデルまでも偽造大国中国に喜んで発注したところで何の不思議もありません。そして、それらが日本を始め世界中に純スペインギタ−として流通することを思うとぞっとします。 当サイトは日本にスペイン製スペインギタ−の価値観を伝えるためのものです。だからこそ、日本人ギタ−愛好家には日々圧倒的な現実となり続けるこの中国製スペインギタ−の脅威にぞっとしていただきたいのです。 読者の皆さん、今日気を抜けば100%中国製スペインギタ−をスペイン製スペインギタ−と称して掴まされることはいとも簡単なことです。どうかレオ−ナの当サイトを熟読され、ギタ−演奏だけではなく、ギタ−に関する知識も深めて下さい。間接的に必ず演奏の幅さえ広がることをお約束します。 ************** 日本における中国製スペインギタ−の見分け方 見る人が見ればその雑な作り故に一目瞭然ですが、一般愛好家には判断が難しいと思われますので、二通りの場合を想定して見分け方を考えてみましょう。 価格による予想:国産メ−カ−の中国製ギタ−(おかしな日本語ですが!?)の場合、10万円以下なら中国製だと日本の事情通から最近聞きました。国産メ−カ−のギタ−なら内部の見えない隅の方に申し訳程度にMade
in Chinaと書いてあるかどうかは知りませんが、スペインギタ−の場合、スペインギタ−と称されていても比較的低価格なら中国製かも知れません。実際中国製スペインギタ−には原産国表示がないのですから、これは私も断定しませんし、あくまで、今日低価格スペインギタ−なら中国製スペインギタ−ではないかとの推定です。推定は推測ではなく推定ですが、確固とした見分け方とは言えません。そこで、ずばり・・・。 店員さんにずばり訊く: ギタ−専門店の場合 ☆ ずばり『このギタ−はスペインのメ−カ−のラベルですが、スペイン製ですか、それとも、もしかすると中国製ですか』と訊いてみましょう。今日メ−カ−の有名無名を問わず、これだけ中国製スペインギタ−が世界を席巻している今日、こう質問する意義はあります。誠実な店員さんなら誠実に答えてくれるでしょうが、儲け主義の店ならギタ−内部のスペインのギタ−メ−カ−のラベルを指差し、迷わず笑顔で『ほら、ご覧下さい。もちろん、スペイン製ですよ』と不誠実な答えが返って来ることでしょう。こうなると原産国表記なし故に薮蛇の水掛け論ですが、大体何故100%中国製の麺を国産と称して販売すれば偽装事件で新聞を賑わし(上述)、中国製ギタ−にスペインギタ−のラベルを貼っても笑って済むのでしょうか? これはもうギタ−云々の問題ではなく、ギタ−取り巻く人間のフェア−プレ−の精神の問題です。レオ−ナからお届けするスペインギタ−は総てスペイン製スペインギタ−であることをここに宣誓致します。 一般の楽器店の場合 ☆ 例え中国製スペインギタ−でも、おそらく卸し元からはスペインギタ−だと言われていることでしょうし、ギタ−もついでに置いてある様な一般の楽器店の店員さんならギタ−知識にも乏しいと思われますので、スペインギタ−のラベルが貼ってあれば何の疑いもなく『はい、スペイン製です』と無邪気な答えが返って来ることでしょう。この場合、店員さんに罪はありませんが、いずれにせよ、ギタ−はおまけ程度の扱いの楽器店なら今後中国製ギタ−の可能性はますます深刻化して行くことでしょう。少しはまともなスペイン製スペインギタ−をお探しの方は誠実なギタ−専門店でお求め下さい。 読者の皆さん、スペインギタ−に価値観を見出したければ、レオ−ナか日本の楽器屋さんかはともかく、スペイン製のスペインギタ−を入手して下さい。 これらの直接原因はユ−ロバブル故に、もはやスペイン国内でスペインギタ−を安く作れないこと、そして、それに追い討ちを掛けて余りある円安ユ−ロ高による日本での輸入価格の急激な値上がりが挙げられます。しかし、レオ−ナは安かろうが高かろうが、今後共スペインギタ−のみを価値観として同胞日本人に紹介して行きます。
ギタ−料金の相違と是非 総 括 以上主に@ABCの相違によってギタ−価格にも相違が生じること。結局良いギタ−はそれなりの料金がすること。そして、それなりの料金のギタ−は良くも悪くもそれなりの理由があると言うことを見て来ました。また、@ABは主として手間隙原価の違いにより生じるギタ−料金の相違と是非であり、Cはギタ−産業を取り巻く人々のモラルの高低によるギタ−料金の相違と是非であることにお気付きでしょうか? ギタ−に限らず何でも良い物が欲しければそれなりの料金を払えと言うことになりますが、それなりの価格だからと言って実の伴わないギタ−もあると言うことです。 ただ、舶来品に弱い国民性もあるのでしょうか。日本におけるスペインギタ−の価格は世界で一番高いです。今日インタ−ネットのご時勢です。読者も同じギタ−が何処の国でいくらしているのか比較してみて下さい。今日の異常な円安ユ−ロ高で特別格安でお届けすることは出来ませんが、レオ−ナではスペイン製量産ギタ−もスペイン製手工ギタ−もおよそヨ−ロッパ国内価格+αで日本までお届けします。主旨はスペインギタ−振興会ですので高い安いを論じるのが目的ではありませんが、確かに日本におけるスペイン原産の輸入スペインギタ−の割には大変お求め易い価格設定であるとの認識をお持ちいただいて結構です。 もちろん、読者によって価格の印象は異なるでしょうが、スペインからわざわざ輸入されたスペインギタ−自体は、日本の巷で見受けられる大衆ギタ−(国産:中国製:中国製スペインギタ−?)に比べれば最終価格は安くはありません。安くはありませんが、それでもヨ−ロッパ国内価格+αがレオ−ナの価格基準です。店舗としての運営も考慮すればこれ以上安くも出来ません。料金一覧をご覧になり、スペイン製スペインギタ−は円安ユ−ロ高もあり、ユ−ロ圏でも今日これ位はするものだとの認識をお持ち下さい。当サイトはスペイン製スペインギタ−に関してのものです。他の国のギタ−は一切忘れてスペイン製スペインギタ−だけに集中して下さい。 もっとも、例えある店で同じギタ−が他店より安くても、ギタ−は楽器ですから鳴らなければ意味がありません。従って、安くても良く鳴るギタ−を捜したり、高いギタ−はなるほどそれなりの音がすると納得させられるところにギタ−選択の面白さがあると言えます。また、それを聞き分けるある程度の耳がなければ正しく選択出来ないとも言えます。木は生物ですので図面通り組立てるだけのプラモデルと違い、2本として同じ音色のギタ−はありません。ですから、2本以上のギタ−があれば、それは各自の好みと見る目によって必ず何らかの優劣が付くと言うことでもあります。 そして、その優劣や好みをギタ−の外見や価格、メ−カ−の有名無名、ギタ−仲間や心の中では早く買えと言っている店員さんのアドバイスで優柔不断に何となく決めるのではなく、今後@ABCの観点からも吟味して自らの意見を持って下さい。そうすれば、より良いギタ−選択、及び、価格に似合ったギタ−、そして、スペインギタ−を見る目と利く耳も養われて来ます。そして、それは必ず普段は使わない奥行きのある引き出しとして演奏の幅をも広げてくれます。 以上、中には核心を突くコメントもあったとは思いますが、それはまた今日の多くの良心的なスペイン人製作家やギタ−製作所の率直な意見を代弁したと解釈していただいて結構です。
レオ−ナにおけるスペインギタ−料金の相違と是非 総 括 スペイン製 量産ギタ−(クラシック&フラメンコ) 合板ギタ−:60000円から。安かろう悪かろうでは意味がありません。この料金からそれなりに鳴るギタ−をお届けします。もちろん、安くてもスペイン製です。 単板ギタ−:114000円から。現在日本における単板の輸入スペインギタ−は最低でも150000円からと見受けます。また、レオ−ナでは最も料金の高いものでも198000円。しかもセラック塗装です。 総てのギタ−は日本までの航空便宅配料金込み。有名ラベルのスペイン製量産ギタ−がブランド化されて日本で手工ギタ−以上のとんでもない値札が付き、何十万〜百万円以上の高級手工ギタ−がセラックではなく、臆面もなくピストル塗装されて店頭に並ぶ21世紀の今日この頃、真に良心的でお求め安い価格です。それでも最終価格はおよそヨ−ロッパ国内価格+αです。 製作家の手工ギタ−には及びませんが、長年親交のあるPrudencio Saez製作所(創業1963年)の社長父子の協力により、音響を重視した総てレオ−ナのための特別仕上げのギタ−をお届けします(音響増幅構造)。 スペイン製 手工ギタ−(クラシック&フラメンコ) 軽いタッチで音が分離して遠達力があり、味とこくと個性ある音色で歌い、包容力さえ感じさせるスペイン製手工ギタ−を厳選してお届けします。 レオ−ナからお届けするスペイン製手工ギタ−はクラシック、フラメンコを問わず、総てラベルの製作家本人の作品であり、総てセラック手塗り塗装(FSA &FSC&FSCAはニトロピストル&手塗り15g仕上げ)です。 名より実を取るべく、有名無名を問わず、最終価格はおよそヨ−ロッパ国内価格+α です。 ************** 謎の空白、20〜40万円!? 正確には198000円(一番高い量産ギタ−)〜400000円(一番安い手工ギタ−)ですが、レオ−ナの料金表一覧を見るとこの中間の料金のギタ−が一本もないことがお分かりいただけます。これは取りも直さず、量産ギタ−におかしな箔付けをして高く売る様なことをせず、量産&手工ギタ−共にヨ−ロッパ国内価格+αで日本に紹介する基本方針を実践したもの、そして、それ故この料金帯の空白とご理解下さい。
ご紹介するスペインギタ−の価格ではなく、 スペインギタ−振興会の主旨に賛同して下さる様お願い致します。代表
スペインギタ−料金
今後の推移と展望 サブプライムロ−ン問題に端を発した長引くアメリカの経済不況に比例し、今後ますますドルは弱まり、世界経済はドルからユ−ロ中心経済に移行して行くことが予想されています。そうなると円高ドル安の反面、現在の円安ユ−ロ高の傾向は当面続くものと思われます。従って、単にギタ−ビジネスとして原価を考えれば、今後日本の輸入ギタ−業界がアメリカ製ギタ−、そして、率先して格安中国製ギタ−になびいても何ら不思議はありません。その一方、スペイン製スペインギタ−の原価はますます割高となり、名工の手工ギタ−はますます高騰し、普及モデルはますます原産国非表示の中国製スペインギタ−が幅を利かせて行くことが予想されます。しかし、レオ−ナは安かろうが高かろうが、今後共スペイン製スペインギタ−のみを価値観として同胞日本人に紹介して行きます。
※ 付 記 ※ 日本のある会社で何のために仕事をしているのかと尋ねられた社員が『皆の幸せのため』と答えたところ、上司に『そうじゃない、売り上げを伸ばすためだ』と説教されたそうです(2008年初頭のある日本の週刊誌)。 私はある意味技術レベルの遥かに高いプロ野球より高校野球の方が好きです。それはノ−ギャラで純粋に野球技術だけを競う高校野球の方がそのフェアプレ−の精神故に観る者の心に吹く爽やかな一陣の風であり得るからです。しかし、人は学生であることを辞め金銭社会に出ればこの上司の言った如く、金銭に魂を売って売り上げを伸ばすためには何をやってもいいのでしょうか? 人生何をやろうがフェアプレ−の精神の精神なき爽やかな一陣の風など吹きはしません。そして、フェアプレ−の精神の精神とは自分への偏った思いやりではなく、真に相手の立場に立つ思いやりです。 確かに個人商店から大企業まで皆儲けは必要です。そして、この金銭で良くも悪くも気を揉むのが資本主義社会に生まれ た我々の宿命だとも言えます。しかし、偏ればこの上司の如く偏った説教を食らいます。 しかし、ブランド化されたスペイン製量産ギタ−、原産国非表示の中国製スペインギタ−、影武者ギタ−など、これらの珍品が大手を振って罷り通っているのは相手を思いやる爽やかな一陣の風どころか、ギタ−業界も自らのみを思いやる偏った利潤追求至上主義に泥酔しているからだと言わざるを得ません。読者の皆さんも一緒に酔うかどうか。それは各自の自由です。しかし、・・・。 そもそもギタ−の果たすべき本来の使命とは弾き手、聴く人、製作者、売る人、ギタ−を取り巻く総ての人が情緒的に豊かになることのはずです。ギタ−と代金の交換は最後の最後に補足的に行うもの。これがスペインギタ−に対するレオ−ナの主旨であり基本姿勢です。 |